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    2025/8/19
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    【お知らせ】9/3環境省「脱炭素型循環経済システム構築促進事業」プロジェクト報告シンポジウムが開催されます


    9/3(水)に環境省「脱炭素型循環経済システム構築促進事業」プロジェクト報告シンポジウム-「品質」と「デザイン」が家庭系廃プラ・リサイクルの明日をつくる-が開催されます。

    九州大学が中心となり提案した「リサイクル困難素材等の高品質リサイクル実証事業」が、環境省の「脱炭素型循環経済システム構築促進事業(うち、プラスチック等資源循環システム構築実証事業)」に採択され、令和5年度から7年度にかけて実施しています。

    本事業では、廃棄プラスチックの効率的な回収体制を構築し、リサイクル材の高品質化及びデザイン性が高い商品を開発することで資源循環型社会への貢献を目指します。

    A luten も本事業に関わっており、当日は代表の菊澤が司会を担当いたします。

     

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    環境省「脱炭素型循環経済システム構築促進事業」プロジェクト報告シンポジウム
    -「品質」と「デザイン」が家庭系廃プラ・リサイクルの明日をつくる

    開催日時:2025年(令和7年)9月3日(水)​​

    会場:九州大学大橋キャンパス デザインコモン2F+オンライン

    プログラム・詳細はこちら​

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    2025/8/7
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    竹を使ったコンポストプロジェクト その3~コンポスト設置・投入~


    前回に引き続き、小学校における竹材を使ったコンポストの取り組みについて紹介します。

    前回のブログで紹介した2種類の竹製コンポスト(土置き型と脚付き型)を、福岡県福津市内の小学校に設置しました。

    6月下旬から給食委員会の5・6年生による運用がスタート。6年生は土置き型、5年生は脚付き型のコンポストを使い、週1回、給食の野菜くずを投入して堆肥づくりに取り組んでいます。活動初日、子どもたちは1日で数キロの野菜くずが出ることに驚き、日々の給食で生まれる「ごみ」の量に、資源としての重みを実感していました。

    夏休みに入るまでの週1回の委員会活動にて野菜くずをコンポストに投入し、そのたびにスコップでしっかりと混ぜながら、発酵の進み具合を観察します。においや水分の調整には、竹から作られた自然素材「竹肥姫(たけひめ)」を使用。湿気を吸収し、分解を助ける調整材として活躍しています。

    竹肥姫(たけひめ)(株式会社林田産業HPより

    このコンポストの最大の特徴は、放置竹林などの問題を抱える「竹」を有効活用している点です。容器自体に竹を用い、さらに堆肥を作る基材にも「竹のみ」を使用しています。一般的に使われる種菌などは一切加えず、竹と野菜くずだけで自然の分解を促そうという試みです。私たちも、様々なコンポストを試してきた経験がありますが、竹粉のみを基材にして堆肥化を行うのは大変珍しい取り組みと言えます。どのような結果になるのか今から楽しみです。

    初回の投入から1週間が経過し、中を確認したところ、ニンジンや玉ねぎの皮がほとんど原形をとどめており、分解はまだあまり進んでいない様子でした。このことから、一般的なコンポストと比較して、分解速度がやや遅い傾向が見られると考えられます。ただし、これは、発酵促進のための微生物(いわゆる種菌)を添加していないため、分解に適した微生物が十分に定着しておらず、立ち上がりに時間がかかっている可能性があります。特に、竹や乾燥した有機物を基材とした場合、炭素と窒素のバランス(C/N比)が偏りやすく、初期段階では好気性分解が進みにくくなると考えられます(このあたりの基礎知識については、また別の機会に詳しくご紹介できればと思います)。

    今後も継続的に生ごみを投入していくことで、自然環境中から微生物が徐々に導入され、分解環境に適応した菌種が優占するようになると考えられます。その過程で、分解のスピードも次第に安定してくる可能性があるため、引き続き経過を観察していきたいと思います。

    今後、コンポスト内の様子がどのように変化していくのか、引き続きご紹介していきます。

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    2025/7/24
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    竹を使ったコンポストプロジェクト その2~竹の加工・組立~


    竹を使ったコンポスト二種類

    現在A lutenでは、株式会社林田産業と協力し、竹材を使って手作りのコンポストを地元の小学校に制作・設置する取り組みをおこなっています。

    前回のブログではコンポストの材料となる竹の伐採の様子をお届けしましたが、今回は実際にコンポストを作成する様子を紹介します。

    今回、2種類のコンポストを作成しました。(トップ写真(左):脚付き型、(右):土置き型)どちらもキエーロの考え方を参考にしたコンポストで、竹製の土置き型と脚付き型です。土置き型(写真右)は、底がなく、地面に直接設置するタイプのコンポストです。それにたいして、脚付き型(写真左)は、地面に接していないタイプのものです。

    <土置き型のパース図>

    土置き型は、半分に割った竹を交互に組み合わせて壁を作ります。横幅と奥行きともに、竹の本数を増やすことでお好みの大きさに仕上げることができます。ただし、竹を半分に割り、節を取り除き、土を深く掘って倒れないように差し込んでいく作業は思いのほか時間がかかります。また、竹の太さやしなりには固有差があるため、こちらを抑えると向こうが倒れ、向こうを支えるとこちらが倒れるので、まっすぐな壁を作っていくには手が5-6本必要だなと感じました。

    <竹を縦にカットする様子>

    一方、脚付き型は、丸のまま使用するため、土置き型に比べ手間は半分以下です。今回は、ロープワーク熟練者が不在であったため、芸術は爆発だ!と言わんばかりの自由な縛り方になっていますが、今後プロロープワーカーをゲストでお呼びすればさらに見目麗しい井桁構造が完成すると自負しています。こちらは、見ての通り、竹の太さ分の隙間が前後面と側面に交互にできてしまうため、中に麻袋を設置します。夏の間は問題ないですが、冬になると保温性が落ちることが気がかりです。こうした課題も含め、現在観察中です。

    今後はこのコンポストを実際に小学校で運用している様子もお伝えします。

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    2025/7/10
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    竹を使ったコンポストプロジェクト その1~竹伐採~


    竹林のようす

    日本各地の風景には、美しい竹林が点在しています。その青々とした姿は心を和ませてくれますが、その力強い成長の一方で、竹林は適切に手入れをしないと、深刻な環境リスクを引き起こすことがあります。

    竹は根が浅く、斜面の多い日本では放置すると土砂崩れの原因になります。急速に広がる竹林は日光を遮り、他の植物の成長を妨げて生態系のバランスも崩します。それらを防ぐために、適度な間伐で光と風を通すことが、斜面の安定と自然環境の保全につながります。豊かな自然を未来に引き継いでいくためにも、竹林を「育てる」という意識が今、求められています。

    私たちA lutenは、福岡県福津市を拠点に、ごみ収集や木くず・竹材などのリサイクル事業を展開する株式会社林田産業と協力し、間伐した竹を使って手作りのコンポスト(生ごみ堆肥)を地元の小学校に制作・設置するプロジェクトを始動しました。

    一般的に、家庭から出るごみの約2〜3割は生ごみで、水分が多く腐りやすいため、悪臭の原因になったり、猫やカラスによる被害を招くことがあります。さらに、運搬や焼却にも多くのエネルギーを必要とするため、生ごみの分別や減量は特に重要です。

    このプロジェクトでは、地元の竹で作ったコンポストを使って、子どもたちが資源循環や環境の大切さを学ぶきっかけにしています。堆肥化は、ごみの削減に加え、その運搬や処理に伴うCO₂の排出を減らし、土を豊かにする持続可能な取り組みです。持続可能なごみの処理を通じて、循環型社会への意識を育みます。

    今回、地元の竹からコンポストを作ろうと福津市内の竹林を訪れました。日本には、真竹(まだけ)、孟宗竹(もうそうちく)、淡竹(はちく)などを含む多くの種類の竹があります。真竹は細く節間が長い、孟宗竹は太く節間が短いなどの特徴があり、今回は細く扱いやすい真竹を伐採しました。

    次回は、伐採した竹をどうやってコンポストに使えるようにするのか、竹の加工の様子をお届けします。

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    2025/6/20
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    内閣府経済社会総合研究所がウェルビーイングに関する論文を公表


    内閣府のwellbeingに関する論文

    このたび、内閣府経済社会総合研究所によるウェルビーイングに関する論文が公表されました。この論文は、「生活の満足度」だけでなく、「感情」や「やりがい」なども含めて、人が感じる幸せ(主観的well-being)を多角的に分析したものです。また、人々の満足度と地域や個人のデータとの関係を調べ、政策づくりに役立つヒントを探っています。

    当法人代表の菊澤は、2025年1月、内閣府職員向けの研修において、ウェルビーイングをテーマとした講演を行いました。その後、意見交換や論文草稿へのコメント提供の機会をいただきました。

    今回の論文は、国の政策研究においてウェルビーイングの視点をいかに捉えるかを検討するうえで、重要な論点を提示しています。当法人がこれまで取り組んできた市町村レベルでのウェルビーイング研究が、市民の暮らしに比較的近い視点を持つのに対し、国の立場ではより間接的なかたちでウェルビーイングを支える役割が求められます。ウェルビーイングの現状を効果的かつ継続的に計測し把握していくためにも、その手法の検討は不可欠であり、本論文の考察は非常に示唆に富む内容となっています。

    <論文掲載情報>

    論文タイトル:主観的well-being の 多面的評価と規定要因の解明-主観的well-being の政策活用に向けて-【ESRI Research Note No.90】

    発表機関:内閣府 経済社会総合研究所

    発表日:2025年(令和7年)5月

    ウェルビーイングを中心に据えた政策研究や制度設計に関心のある方は、ぜひご一読ください。

    詳細は、内閣府経済社会総合研究所の公式ウェブサイトをご確認ください。

    内閣府ウェブサイト

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    2025/5/30
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    【登壇報告】第37回環境工学連合講演会にて講演しました


    2025年5月27日(火)、六本木・日本学術会議講堂にて開催された「第37回環境工学連合講演会」公開シンポジウムに登壇しました。

    本シンポジウムは「先進サスティナブル社会における環境工学の役割」をテーマに、環境・エネルギー・社会システム・教育など多様な分野の専門家が集い、未来志向の研究や取り組みを共有する貴重な場となりました。

    A luten代表の菊澤は、「プラスチック資源循環のための評価フレームワークの構築:サーキュラービジネスモデルの視点から」と題して講演を行い、プラスチック循環の実装を後押しするための評価フレームワークについて報告しました。

    講演会

    当日は、現地とオンラインを合わせて300名を超える方々にご参加いただき、プラスチック循環というテーマへの関心の高さがうかがえました。

    また、質疑応答では、「再生プラスチックを流通させるには、量が先か、質が先か?」という本質的な問いが寄せられ、講演後の意見交換でも関心の高い議題として話題に上がりました。翌日に参加したNEW環境展の会場でもお会いした方々に同様の問いを投げかけたところ、興味深い見解が複数寄せられましたので、ご紹介いたします。

    欧州の環境プラントメーカーの出展者からは、「日本では再生材を目玉商品に用いようとするあまり、初めから高品質を求めすぎている」との指摘がありました。包装材、物流資材、什器など、製品以外の用途も含めて再生材を柔軟に活用していくべき、という意見です。

    さらに、再生プラスチックを扱う商社からは、「高品質な再生材へのニーズは国内でも確実に高まっているが、その品質と量を安定的に確保できる状況にはない」との声も聞かれました。これは、メーカー側が求める品質と供給量のハードルの高さが、普及の妨げとなっている現状を示唆しています。

    今回の講演でご質問くださったのは、再生材を供給されているリサイクラーの方でしたが、同様の課題意識を持たれている様子がうかがえました。講演でも述べたとおり、バリューチェーンのいずれかの段階で「詰まり」が生じていることは明らかです。再生材の価値が市場において認められれば分別排出も進み、高品質な排出や再資源化への協力が得られるはずですが、その評価や需要が曖昧なままでは、主体的な協力は得にくいのが現状です。

    今回の登壇を通じて得られた気づきやフィードバックを、今後の研究と社会実装の方向づけにしっかりと活かしていきたいと考えております。

    最後に、このような貴重な機会をいただきました日本学術会議 環境学委員会 環境科学・環境工学分科会の皆さま、本会議へのご推薦をいただきました廃棄物資源循環学会の皆さま、そしてご参加いただいた皆様に心より感謝申し上げます。

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    2025/5/8
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    【登壇】5/27東京・オンライン開催 │ 第37回環境工学連合講演会


    527日(火)、六本木の日本学術会議講堂にて公開シンポジウムが開催されます。環境・エネルギー・社会システム・教育など、幅広い分野の第一線で活躍する専門家たちが、新社会の構築に向けた研究について発表、話題提供を行います。代表の菊澤は「プラスチック資源循環のための評価フレームワークの構築:サーキュラービジネスモデルの視点から」と題し、11:20からの回で講演します。

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    第37回環境工学連合講演会開催概要

    テーマ:先進サスティナブル社会における環境工学の役割

    会 期:2025年(令和7年)527日(火)

    会 場:日本学術会議講堂 +オンライン(Zoom

    プログラム・詳細はこちら

    参加費:無料

        日本学術会議 環境学委員会環境科学・環境工学分科会

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    本イベントでは、カーボンニュートラルの社会実装、脱炭素社会の実現への道筋、エネルギー供給システムの在り方について​、活発な討論の場を提供。持続可能な未来に向けた「科学技術の現在地」と「これから」を探ります。お誘い合わせの上ぜひご参加ください

    事前の参加登録が必要となります。

    詳細は日本学術会議のサイトでご確認ください。

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    2025/5/1
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    『都市政策研究』第26号に掲載|福岡市×中小企業の脱炭素化レポート


    [脱炭素の取り組み内容に関するアンケート結果]

    脱炭素施策に関する研究報告が、公益財団法人福岡アジア都市研究所の紀要『都市政策研究』第26号(2025年3月発行)に掲載されました。市内中小企業の現場調査に基づき、脱炭素への現状と課題を整理した内容となっています。代表の菊澤は「中小企業の脱炭素の取り組み ― 現状と課題 ―」と題して、脱炭素社会の推進に向けた地域企業の役割と支援策について考察しました。

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    掲載論文情報
    論文タイトル:中小企業の脱炭素の取り組み ― 現状と課題 ―

    掲載誌:公益財団法人福岡アジア都市研究所『都市政策研究』第26号
    発行日:2025年(令和7年)3月
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    【論文要旨】
    GX(グリーントランスフォーメーション)は、国の新たな政策の柱として位置づけられ、新産業創出の契機とされています。しかし、福岡市およびその近隣地域の中小企業の多くは、GXが推し進める技術革新や脱炭素が自社に直接関係するものとは認識しておらず、省エネ設備の導入も主に固定費削減の手段として捉えられているのが実情です。
    本研究では、中小企業の脱炭素化における現状と課題を明らかにするため、既存のアンケートおよびインタビュー調査に加え、独自に実施した調査を通じて、気候変動による影響の程度、脱炭素以外に抱える経営課題、脱炭素化への意識と実施状況、取り組みの動機、さらに推進を妨げる障壁について多角的に分析しました。これにより、脱炭素化の停滞要因や中小企業特有の意識・行動の特徴を掘り下げ、今後の支援策や施策立案への示唆を得ることを目指しています。

    福岡市の未来を見据えた「脱炭素への挑戦」に関心のある方は、ぜひご一読ください。

    詳細は福岡アジア都市研究所の公式サイトにてご確認いただけます。

    都市政策研究(第26号) | 福岡アジア都市研究所(URC)

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    2025/4/30
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    【受賞報告】ウェルビーイング(新たな都市の評価に関する研究Ⅱ)が「都市調査研究グランプリ」奨励賞を受賞


    論文ウェルビーイング(新たな都市の評価に関する研究Ⅱ)」が、公益財団法人 日本都市センター主催の「第15回都市調査研究グランプリ(CR-1グランプリ)」にて、政策応用部門 奨励賞を受賞しました本研究は都市における“幸福”のあり方を問い直し、自治体がウェルビーイングを政策にどう組み込むかを体系的に分析したものです論文は福岡アジア都市研究所( URC)の山田研究主査とともに一般社団法人A lutenの代表菊澤による共著です。
    受賞に際し、日頃よりご支援いただいている皆さまへ感謝を申し上げるとともに、今後の研究・実践に一層邁進してまいります

    [授賞式の様子┃日本都市センター CR1グランプリ 奨励賞受賞 | 福岡アジア都市研究所(URC) ]

     

    都市調査研究グランプリとは

    全国の都市自治体や職員が主体となって行った優れた調査研究を表彰する制度であり、都市の行財政運営に資する実践的な知見を広く共有することを目的としています。

     

    研究内容と評価ポイント

    本研究では、ウェルビーイングという主観的な概念を都市政策へ導入する方法について検討を行いました。具体的には、ロジックモデルに基づき、ウェルビーイングの政策形成を助ける「政策的フレームワーク」を構築し、最終的なゴール(インパクト)の設定から、ゴールの実現に強く影響を及ぼすアウトカムの設定、具体的な施策の立案・実施までの流れを理論的に導出しました。

    また、2023年に URCにて実施したアンケート分析において、仕事を中心とする日常の主な活動の充実が人々のウェルビーイングに強く影響を与えていることを明らかにしました。

     

    審査講評では、以下のような点が高く評価されました:

    • ウェルビーイングに関する概念整理と先行研究の精緻な検討
    • 自治体の基本計画への応用に向けた具体的な視点の提示
    • 政策的フレームワークの構築と他自治体への汎用性

    都市の多様な課題に対して、“人の幸福”を軸にどう応えていけるか。研究と現場をつなぐかたちで、いただいた成果を自治体や企業など多様なパートナーと共有し、より良い都市づくりに生かしていけるよう、今後も取り組みを続けてまいります。

    第15回都市調査研究グランプリ(CR-1グランプリ)表彰式 | 公益財団法人日本都市センター

    報告書のダウンロードはこちら:https://urc.or.jp/report/publications/2023sougou-wb/

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    2025/4/15
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    ごみ焼却施設「佐賀東部クリーンエコランド」の見学​


    20243月竣工のごみ焼却施設「佐賀東部クリーンエコランド」 *1 を見学しました。この施設は、環境保全や施設の耐久性・安全性の向上を基本方針としており、浸水対策や環境教育・啓発にも力を入れています。施設の動線や担当者の説明から、教育的要素に配慮していることを感じました

    施設内の見学動線は広く、わかりやすい動画などによる説明が随所に設けられています。施設の各部門、例えば、ごみ清掃車がごみを投入する入り口や、ごみをためる「ピット」、ごみが焼却される場所(ここはイメージ動画のみで実際に見ることはできません)などが見学できます。

    今回特に関心を持ったのは、ごみの組成による燃えやすさや燃えにくさの違いや、組成の変化がどのように焼却に影響するのか、という点です。

    「ごみは減らさなくても良い、燃やせば灰しか残らないから問題ない」、「特にプラスチックは燃えやすいので、分別せずに焼却してしまえば良い」という意見も見受けられます。これらは焼却を前提とした議論の中で出てくる意見であり、ごみの分別や減量を進める立場からすると、なかなか納得できない部分もあります。

    実際にごみの組成と焼却の関係性について詳しく尋ねたところ、現在のごみの組成(紙類が40%、プラスチックが30%、生ごみが20%、その他が10%)を考えると、基本的にはごみは自燃し続けるそうです。焼却処理施設の設計時には、発電効率やごみ組成の幅、さらには災害ごみの受け入れなどを考慮して高い処理能力が確保されており、例えば、プラスチックのごみがゼロになるような劇的な変化がなければ問題が発生することはないとのことでした。

    しかし、焼却処理施設の寿命と考えられている30年の間に自治体のごみ政策が大きく変わる可能性も考えられます。例えば、生ごみが減ってプラスチックなどカロリーの高いもの(燃えやすいもの)ばかりになると、炉内の温度が高くなりすぎるため、ごみの投入量を減らしたり、一時的に水を散水して温度を下げたり、カロリーの低い(燃えにくい)ごみと一緒に投入したりする必要が出てくるそうです。逆に、プラスチックの分別が進み、生ごみばかりになると、助燃剤の使用が必要となる可能性があり、その場合、燃料の投入費用が増加し、CO2排出量も増えることになります。

    大きな処理能力の施設を建ててしまうと、ごみを常に一定量投入する必要があるため、稼働から20-30年間のごみの量の変動を予測しないといけません。高い処理能力が確保されていると、それに見合った運用が必要であり、ごみ減量の動機が薄れる恐れがあります。

    ​[ごみピット・ごみクレーン(定期的にこちらからあちらへ、あちらからこちらへごみをひとつかみずつ移動させることでカロリー(燃えやすさ)を均一にします)]

    ごみ管理は、国民の基本的な衛生と生活環境維持の基盤となる欠かせない要素です。処理能力が過剰にならないように調整する一方で、ごみの適切な処理が滞ることなく、30年後のごみ組成やCO2排出量を見据えた施設設計を行うことの難しさを体感しました。

    そのほかにも、アップサイクル*2製品の展示等、持続可能な資源循環のあり方についても考えさせられる見学となりました。ごみの処理は単なる焼却ではなく、地域の環境や経済にも関わる重要な課題です。今後も、ごみと向き合い、ごみについて語りつつ、より良い社会の実現に向けて考えてまいります

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    *1佐賀東部クリーンエコランド: 佐賀県東部環境施設組合が運営するごみ焼却施設、鳥栖市・神埼市・吉野ヶ里町・上峰町・みやき町のごみを受け入れる。

    *2アップサイクル:本来は捨てられるはずの製品に新たな価値を与えて再生すること

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