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    2026/06/25
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    【登壇】令和8年度 第1回都市セミナー 持続可能な社会の実現に向けて ~一人ひとりが変える循環のカタチ~


    2026年7月13日(月)、福岡アジア都市研究所(URC)主催の「令和8年度第1回都市セミナー 持続可能な社会の実現に向けて~一人ひとりが変える循環のカタチ~」が開催されます。

     

    福岡アジア都市研究所(URC)では、福岡市がチャレンジを表明した2040年のカーボンニュートラル実現に向けて、2025年度総合研究において、市民と企業の脱炭素行動に関する研究を行いました。今回の都市セミナーでは、総合研究の報告とともに、持続可能な社会の実現に向けた身近な取り組みや先進的な技術などについて、各分野の専門家が講演します。

    代表の菊澤は「ゼロカーボンシティ福岡へ向けた行動変容に関する研究Ⅱ」について、登壇予定です。

     

    ■ セミナー概要

    令和8年度第1回都市セミナー
    持続可能な社会の実現に向けて
    ~一人ひとりが変える循環のカタチ~

    日時:2026年7月13日(月) 14:00~16:30 (開場:13:30)
    会場:アクロス福岡7階大会議室(福岡市中央区天神1-1-1)
    またはオンライン(Zoomウェビナー)
    主催:福岡アジア都市研究所(URC)
    参加方法:こちらのURLをご確認ください
    https://urc.or.jp/seminar/event/r8seminar-1/

     

     

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    2026/6/11
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    【研究報告】『ゼロカーボンシティ福岡へ向けた行動変容に関する研究II』報告書が発刊


    『ゼロカーボンシティ福岡へ向けた行動変容に関する研究II』報告書(2025年度URC総合研究報告書)が、公益財団法人福岡アジア都市研究所より発刊されました。

    本報告書では、市民と企業の取組みから得られた知見を整理し、福岡市がゼロカーボンシティを実現するための具体的な手がかりを示しています。

    A lutenでは、本研究報告書の第3章の執筆を担当いたしました。企業の脱炭素行動に関して考察しています。

    掲載論文情報

    • 論文タイトル: ゼロカーボンシティ福岡へ向けた行動変容に関する研究II報告書

    • 掲載誌: 公益財団法人福岡アジア都市研究所『都市政策研究』

    • 発行日: 2026年(令和8年)3月

    • 担当章: 第3章(一般社団法人A luten)

    詳細は福岡アジア都市研究所の公式サイトにてご確認いただけます。ぜひご確認ください。

    ゼロカーボンシティ福岡へ向けた行動変容に関する研究II報告書

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    2026/6/8
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    【活動報告】波戸岬に誕生した「PLAPLA」を訪問してきました


    6月7日、佐賀県唐津市・波戸岬にオープンした「PLAPLA(プラプラ)」を、オープン初日に訪問してきました。

    今回は、Ocean Circular Architecture(OCA)プロジェクトでご一緒しているイドベタさんにお声がけいただき、福岡から車で現地へ向かいました。貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

    福岡市内を抜けて西へ向かうにつれ、都市部の景観から農村・漁村が広がる風景へと移り変わっていきます。福岡市中心部から車で約1時間半という距離ですが、都市と自然の距離感を実感できる移動でもありました。

    目的地の波戸岬は、玄界灘に向かって大きく突き出した佐賀県を代表する景勝地です。施設はその岬の先端近くに位置しており、緩やかな芝生の斜面の先に、玄界灘と周辺の島々を望むことができます。

    施設自体は決して大規模ではありません。しかし、その限られた空間の中に、「海洋プラスチック問題に取り組む世界初のミュージアム&ラボラトリー」として、展示機能、サイエンスコミュニケーションの場としての役割、そして海洋プラスチックの処理・加工技術が一体的に組み込まれていました。

    特に興味深かったのは、海洋プラスチックの回収から再資源化までの工程を、実際の設備とともに見学できる構成です。

    海岸で回収されたプラスチックを洗浄するスペースが施設の入り口近くに設けられており、その奥には破砕機や真空乾燥機、プレス機など、再資源化に必要な設備が配置されています。

    海洋プラスチックは、長期間海中を漂流・漂着する過程で塩分を含み、貝殻や海藻などが付着していることが多いため、こうした異物を除去する前処理が欠かせません。施設には、大型で厚みのある漁業用ブイも処理できる破砕機が導入されており、その後、加工工程に影響を与える水分を除去するための乾燥工程が設けられています。海洋プラスチックでは、塩分や水分の残留が再生材の加工性や品質に大きく影響するため、この洗浄・乾燥工程が重要な役割を果たしています。

    フレーク状になった材料を加熱・プレスする装置も、体験教室向けの小型のものから、およそ100×150cmほどの大型機まで設置されていました。

    そして、この施設のもう一つの特徴は、サイエンスコミュニケーションを重視した空間設計にあると感じました。

    展示されているオブジェやプロダクトは、海洋プラスチック問題を知識として伝えるだけでなく、来訪者が自然に関心を持ち、対話のきっかけとなるよう工夫されています。自然素材で作られていた昔の漁具と、現在主流となっているプラスチック製漁具の比較展示や、海流や風による海洋プラスチックの移動を可視化した球形展示などは、その代表例です。イドベタさん提供の、ブイスピーカーも取り付けられています。

    また、ワークショップスペースでは、20人程度が同時に海洋プラスチックを使ったプレス成形を体験できるようになっており、この日は多くの子どもたちが参加していました。

    施設に併設されたカフェも印象的でした。地元の農産物を活かしたドリンクや軽食が提供されており、海を眺めながら滞在できる空間となっています。

    特に興味深かったのは、店内で使用されている家具です。海洋プラスチックをプレス加工して製作した板材が家具の素材として活用されており、それぞれ異なる色合いや模様を持っています。また、強度が必要な部分にはステンレスを組み合わせるなど、素材特性に応じた構造設計も取り入れられていました。

    これまで私たちが関わってきた廃プラスチックの再資源化では、射出成形などによる製品化を前提として、安定した品質の再生材をいかに供給するかが議論の中心となることが少なくありませんでした。そのため、色や材質のばらつき、異物の混入などは、できるだけ除去・均質化すべき対象として扱われます。

    一方、PLAPLAで示されていたのは、素材が持つ個々の表情や特性を積極的に価値へ転換するという考え方です。板材として利用し、構造設計で不足する性能を補完する。他素材と組み合わせる。あるいは、混ざり合うことで生まれる色や模様をデザインとして活かす。

    「元の製品に戻す」ことだけを目指すのではなく、海洋プラスチックという素材だからこそ成立する新たな用途や価値の創出が試みられていました。廃プラスチックを燃やさず、より高い付加価値を持つ形で循環させる。その可能性を、技術だけでなく、デザイン、体験、サイエンスコミュニケーションを通じて社会に提示している点が、この施設の特徴であると感じました。

    今回の訪問を通じて、サイエンスコミュニケーションの設計と、従来とは異なる廃プラスチックの加工技術・用途開発という二つの観点から、多くの示唆を得ることができました。

    ちなみに、外には木陰のブランコがあり、通路にはベンチが並び、長居できる雰囲気も素敵でした。

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    2026/4/26
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    【活動報告】廃プラ共同回収に関するワークショップ その2


    廃プラスチックの共同回収に関する意見交換会(第3回)について、前回の記事では、ワン・フクオカ・ビルディング(ワンビル)の最新鋭の資源庫見学についてお伝えしました。
    今回は、盛り上がりをみせた競技型ワークショップ「ワケルンピック」と、パタゴニア福岡でのグループディスカッションについてお伝えしていきます。

    競技型ワークショップ「ワケルンピック」では、店舗等から出された混合資材について、軟質プラスチックを中心に素材や分別基準を実物で確認し、「PP」、「PE」、「その他プラスチック」、「プラスチック以外」の4分類への分別を体験ました。
    実際の様子を動画にてご紹介します。

    【動画URL】https://aluten.jp/wp-content/uploads/2026/04/download-1.mp4

    最初は慎重だった参加者の皆さんも、実物の質感や音を直接確かめるうちに、手際よく作業を進められるように。答え合わせでは驚きや納得の声が上がり、会場は大いに盛り上がりました。
    実際に触れてみることで得られる「新しい発見」は、頭での理解を超えた確かな手応えとなります。五感を通じた体験が、深く刻まれる貴重な時間となりました。

    ワケルンピックで「分別の手触り」を掴んだ後は、場所をパタゴニア福岡へと移しました。環境への深い哲学を持つブランドの空間に身を置くことで、議論はよりクリエイティブで本質的なものへと加速していきます。

    ディスカッションで特に盛り上がったのは、現場のオペレーション負荷をどう軽減するかという点です。 パタゴニアの事例として紹介されたのは、梱包資材をすべて特定の素材(LDPE)に統一し、リサイクルを阻害するテープを廃止するといった「上流での標準化」。 「現場の善意や努力だけに頼るのではなく、迷わなくて済む仕組みを企業連携でいかに作るか」という、社会実装に向けた具体的な視座が共有されました。

    また、回収したプラスチックの「出口」についても熱い議論が交わされました。 単なるリサイクル製品を作るのではなく、「自分たちが分別したプラスチックが、地域の小学校で使われる学用品に生まれ変わる」といった、地域の未来につながるストーリーの重要性が浮き彫りになりました。 自分の行動が地域貢献として可視化されることが、損得勘定を超えた持続可能なインセンティブになる。そんな福岡らしい「共創」の形が見えてきた瞬間でした。

    全3回の意見交換会を締めくくった今回のワークショップ。参加者の皆さんが「自分たちにできること」を具体的に見つけ、意識が変化していく様子がみられました。

    現場の物理的な制約やコストといった「現実」を直視しつつ、バックキャスティングで「理想」の循環モデルを構想したこの数ヶ月。ここで生まれた対話の種は、これから具体的な実装フェーズへと引き継がれていきます。

    現場見学とディスカッションを通じて得られた、この「納得感」こそが、街全体を動かす大きな原動力になると確信しています。

    今回のワークショップを含む研究の分析結果は、福岡アジア都市研究所(URC)の報告書として2026年春に公開予定です。
    脱炭素やサーキュラーエコノミー、福岡市における社会連携の取り組みにご興味のある方はぜひご確認ください。

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    2026/4/1
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    【登壇】福岡4/2 Thursday Gathering #64 海洋プラスチックから生まれるデザイン


    明日、天神のど真ん中・ONE FUKUOKA BLDG.で「海の未来」を考えるセッションが開催されます。

    以前ブログでもご紹介した商業施設で、今回はその場所を会場に、糸島や福岡の海で起きている「海洋プラスチック」のリアルに向き合います。

    高校生・現場の実践者・研究者らがそれぞれの立場から話題提供を行い、問題の理解から今後の可能性までを立体的に捉えていきます。

    当法人代表の菊澤も登壇し、プラスチックの基本的な課題や資源としての捉え方についてお話しする予定です。

    現地では海洋プラや学生の活動から生まれた作品の展示もあり、途中参加・見学のみでもご参加いただけます。

    ■ Thursday Gathering #64 海からはじまるイノベーション
    〜糸島・福岡の海洋プラスチックとアップサイクルの可能性〜

    日時:  2026年4月2日(木)18:30–19:20
    場所:  ONE FUKUOKA BLDG. 6F

    詳細・申込はこちら
    https://community.venturecafefukuoka.org/sessions/366

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    2026/3/27
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    内閣府経済社会総合研究所がウェルビーイングに関する最新論文(No.95)を公表


    内閣府経済社会総合研究所(ESRI)より、ウェルビーイングに関する最新の研究論文が公表されました。

    当法人代表の菊澤育代は、本論文の執筆にあたり、分析の視点等についてコメントを提供いたしました。

    今回の論文では、個人の生活満足度を評価する際に、「自分にとってどの程度がふさわしいか(理想の基準)」に着目しています。たとえば、生活満足度を10点満点で評価するとき、「自分にとっては何点くらいが理想なのか」という基準は、人によって異なります。本研究では、満足度の点数そのものだけでなく、その背景にある「理想の点数」との差に注目することで、主観的ウェルビーイングをより深く理解しようとする内容となっています。

    このように、回答者自身が思い描く基準と実際の評価を見ることは、「満足の基準そのものが人によって異なる」という主観的ウェルビーイングの特徴を踏まえた満足度の理解につながると考えられます。

    ウェルビーイングの測定手法や、主観的データの政策活用に関心のある方は、ぜひご一読ください。そして、「自分にとっての理想の状態とはどのようなものか」考えてみませんか。

    ■ 論文掲載情報

    タイトル:理想とする生活満足度の特徴 -現在の生活満足度との比較【ESRI Research Note No.95】

    発表機関:内閣府 経済社会総合研究所

    発表日:2026年(令和8年)3月

    詳細URL: 内閣府経済社会総合研究所の公式ウェブサイトをご確認ください。

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    2026/3/17
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    【活動報告】廃プラ共同回収に関するワークショップ その1


    福岡アジア都市研究所(URC)からの依頼を受けて進めている研究の一環として、廃プラスチックの共同回収に関する意見交換会(第3回)を、2月5日に開催しました。

    第1回・第2回の意見交換会では、企業連携によるリサイクルのメリットや課題について論点を整理してきましたが、今回は参加者からの「より実践的な検討の場を」という声に応え、議論を一段階先へ進めるための「実践型ワークショップ」として企画されました。行政、金融、教育、そして民間企業といった多様なバックグラウンドを持つ約20名が集まり、廃プラスチックの共同回収に向けた「理想」と「現実」を語り合った記録をお届けします。

    ワークショップは、天神の新設ビルワン・フクオカ・ビルディング(通称ワンビル)の資源庫見学からスタートしました。言わずと知れた、福岡の都心再開発プロジェクト天神ビッグバンの象徴的な建物のひとつです。ここでの目的は、商業施設における資源管理のリアルなオペレーションを理解すること。テナントから排出されるごみや資源物が、どのように集められ、分別され、そして再資源化へとつながっていくのか、その裏側の仕組みを実際の現場で確認しました。

    資源庫では、段ボールや雑誌などの紙類、びん・缶、ガラス、生ごみに加え、ペットボトル、発泡スチロール、軟質プラスチック、硬質プラスチックなどのプラスチック類を含め、合計18種類に分別して回収が行われていました。テナントが資源を搬入する際には、店舗ごとに割り当てられたバーコードを読み取り、資源の種類ごとに計量を行う仕組みになっていました。計量が記録されるとシールが発行され、それを袋に貼付したうえで、かご車ごとに分けられた資源の保管場所に置く運用です。また、搬入できる時間もルール化されており、午前中の2時間と、夕方から夜間にかけての時間帯の1日2回に限定されていました。

     

    こうした運用について説明を受ける中で、多くの参加者が驚いたのは、飲食ごみを扱っているにもかかわらず、ほとんど臭気がなく、全体として非常に清潔な状態が保たれていたことでした。なぜこれが可能なのか。見学を進めるにつれて、その背景となる運用上の工夫が見えてきました。

    まず、設計段階から運用条件についてビルオーナー側と協議が行われており、開業前からテナントへの説明や調整を進めてきたことで、搬入や保管の動線が比較的整理された形で運用されていました。また、ここでは「仕組み」を作るだけでなく、それが適切に運用されるよう、環境整備や事前の指導があわせて行われていました。

    現場で印象的だったのは、物理的な工夫が利用者の行動にも一定の影響を与えているように見えた点です。そのひとつが、週に一度すべてのカートを移動させて行うポリッシャー清掃です。定期的に床面がリセットされ、清潔な状態が保たれていることで、利用する側にも自然と丁寧に使おうとする意識が働いているように感じられました。また、分別品目や搬入時間が明確にルール化されていることも、管理を安定させる要因になっていると考えられます。

    さらに、スタッフが常駐していることで常に人の目がある状態となり、過度ではない緊張感が保たれていました。ごみ置き場を単に管理する場所とするのではなく、利用者にとっても使いやすく整えられていることが、資源の状態を保つことにつながっているように見受けられました。

    施設見学の後は、ワークショップの一環として「ワケルンピック」を実施しました。さまざまなプラスチック素材を実際に手に取りながら分別のコツを体感するこのプログラム。
    その活気あふれる様子は次回の記事でお伝えします。

    なお、本研究の詳細や分析結果については、福岡アジア都市研究所(URC)の報告書として2026年春に公開予定です。公開されましたら、ぜひチェックしてみてください。

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    2026/2/24
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    修理についてのアンケート結果 その2


    前回は、2,000人のアンケート結果をもとに日本における修理の現状をお伝えしました。修理の必要性は多くの人が認識しているものの、「どこで修理できるかわからない」「高そう」という情報・コスト面の障壁が、修理という選択肢を遠ざけている実態が浮かび上がりました。

    では、そうした状況の中で積極的に修理を活用している人たちは、どんな層なのでしょうか。今回は「修理ヘビーユーザー」に焦点を当てます。

    修理ヘビーユーザーとは

    今回の調査では、過去2〜3年に日用品修理店を複数回利用し、合計でおよそ2万円以上を費やした人を「修理ヘビーユーザー」と定義しました。修理経験者の約16%に相当します。2万円という金額は、衣類のファスナー交換や裾上げを複数回、あるいは高価なバッグや電化製品の修理なら1〜2回でほぼ達する水準です。特別な出費というよりも、日常的な選択の積み重ねといえるでしょう。

    ヘビーユーザーの特徴

    最も多いのは30代(27%)で、調査全体の割合(15%)の1.8倍にあたります。40代(21%)と合わせると、30〜40代でヘビーユーザー全体の約半数を占めます。

    その他の特徴を調査全体と比較すると、次のような傾向が見えてきます。

    • 子どもがいる:56%(全体平均45%)
    • フリマアプリで売買両方を経験:60%(全体平均29%)
    • 世帯年収1,000万円以上:30%(全体13%の2.3倍)
    • 東京都内在住:30%(全体17%の1.8倍)

    子育て世帯や所得水準の高い層、都市部の居住者、そしてフリマアプリで「モノの価値を見極める」習慣を持つ人に、修理の積極的な利用者が多い傾向があります。

     

    修理する理由の違い

    さらに注目したいのは、修理を選ぶ動機の違いです。調査全体では「まだ使えるから」という実用的・経済的な理由が最も多かったのに対し、ヘビーユーザーでは「愛着や思い入れがあるから」という感情的な理由が上位に挙がりました。

    ヘビーユーザーにとって修理の対象は、単なる日用品ではなく手放したくない大切なものです。だからこそ、多少費用がかかっても修理を選ぶ——そうした「愛着への投資」という動機が、高単価・高頻度の利用につながっていると考えられます。

     

    不満・不安の違い

    修理に関する不満や不安にも、両者で異なる傾向が見られました。調査全体では料金やアクセスの悪さを挙げる人が多い一方、ヘビーユーザーは「大切なものを自分では直せない」ことへの不満が目立ちます。ただし、料金や修理可能な範囲の見通しが立てにくい点は、両者に共通する課題です。

    修理市場の可能性

    前回お伝えしたとおり、修理を利用している人は全体の約20%にとどまります。情報やアクセスの壁がある限り、ニーズがあっても修理は選択肢に入りにくい状況が続くでしょう。

    一方で、ヘビーユーザーの行動が示すのは、修理が日常の延長線上にあるという事実です。壁さえ取り除けば、修理はより多くの人に自然に選ばれる選択肢になり得ます。

    調査結果が示す課題は2つです。まだ修理を使っていない人には、認知・アクセス・価格の透明性という障壁を下げること。すでに修理に積極的な層には、愛着あるものをより深く・長く直せる体験を提供すること——これが市場の単価と頻度を高める鍵になるでしょう。

    愛着あるものを長く使う文化が再評価される時代は、すでに始まっています。日本の修理市場にはまだ大きな成長の余地があります。

     

    【調査概要】

    調査対象:20代〜70代以上の男女
    サンプル数:2,000人(各年代300〜400人)
    調査方法:オンライン調査
    調査期間:2026年10月~11月

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    2026/2/12
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    修理についてのアンケート結果 その1


    前回は、国内で日用品の修理が進んでいない現状についてお伝えしました。今回はA lutenが行った修理についてのアンケートの結果についてお伝えします。

    本調査は、20代から70代以上までの合計2,000人、各年代から概ね300〜400人を対象にオンラインで実施しました。調査によると、過去2〜3年の間に修理経験がある人は全体の約2割に留まり、必要性を感じながらも修理を行っていない人も約2割、そして修理を必要だと感じたことのない人が約6割という結果でした。
    年代別に見ると、修理経験は年代とともに高まる傾向が示されています。

    修理経験者の年代別割合を示すグラフ

    アンケートでは修理が必要な時、相談先が思い当たるアイテムについて尋ねました。

    すると回答者のうち43%が、日用品の修理店を1つも知らないと答えました。

    家電やスマートフォン・PC修理:それぞれ約32%(最も高い)
    衣服、時計・アクセサリー:それぞれ約23%
    家具、マットレス:それぞれ約6%

    認知度が最も高いスマホ・PC修理でさえ3割程度。家具やマットレスに至っては、どこで修理できるか知っている人はほとんどいません。

    アイテム別の修理店認知度割合を示すグラフ

    調査では、年齢が上がるほど修理経験があり、修理店の場所も知っているという傾向が見られました。

    • 20代:約60%が「どの修理店も知らない」と回答
    • 30代〜60代:徐々に「どこも知らない」割合が減少
    • 70代以上:半数以上が家電やスマホの修理先を把握。「どこも知らない」という回答は少数派に

    若い世代ほど、修理という選択肢が視界に入っていない状況がわかります。

    次に修理の不満について調査したところ、明確な課題が浮き彫りになりました。
    最も不満が強かったのは「料金が高い・高そう」で、64.5%が共感を示し、他の項目を大きく引き離しました。次点では「どこまで直せるかわからない」「お店が近くにない/探すのが面倒」が上位に並びました。

    この順位は修理経験のありなしに関わらずほとんど一緒でしたが、修理経験者は実感を伴って、不満に共感する人の割合が全体に高くなりました。

    一方、「直す必要性を感じない」という項目は最も不満が少なく、多くの人が修理の必要性自体は認識していることがわかりました。

    次回は、実際に修理を積極的に活用している人たちに注目します。

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    2026/1/29
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    修理についてのアンケート調査を実施しました


    一般社団法人A lutenは、「資源循環の媒介役」として、人と人、モノとモノをつなぐ活動をしています。このたび、資源循環を実現するために「修理(リペア)」に焦点を当てた約2,000人規模の調査を実施しました。なぜ修理に注目したのか、まずその背景についてお話しします。

    実はリサイクルに偏っている日本の3R

    日本では1990年代から「リデュース」「リユース」「リサイクル」の3R概念が広まり、循環型社会づくりが進められてきました。環境省は環境負荷の低い順に「リデュース」「リユース」(修理はここに含まれます)を優先すべきとしていますが、実際は環境負荷の高い「リサイクル」に重きが置かれているのが現状です。

    近年注目されている「サーキュラーエコノミー(循環経済)」は、従来の「作る→使う→捨てる」という一方通行ではなく、資源や製品の価値をできるだけ長く保つ新しい経済システムです。ここで特に重要なのが、リデュースに続き、製品を長く使い続けるリユースなのです。

    実は浸透していない「修理」という選択肢

    フリマアプリの登場やリユースショップの増加により、日本のリユース市場は拡大傾向にあります。しかし、「修理」という選択肢はまだまだ浸透していません。
    総務省家計調査のデータを見ると、修理関連の年間支出の80%以上が住宅や自動車などの大型修理に使われており、文具、バッグ、玩具といった生活用品の修理はわずか2%にとどまっています。

    住宅や車については修理を日常的に行っていても、身の回りのモノを「修理する」という発想が、まだ一般的ではないのです。

     

    なぜモノの修理は広まらないのか?

    修理が普及しない理由は複雑です。現代社会では安くて手軽に買い替えられる環境が当たり前になり、モノを修理して長く使う習慣が根付いていません。利用者側からは、「修理より買い替えの方が安くて早い」「どこで修理できるのかわからない」「修理店に持っていくのが面倒」といった声が聞かれます。

    こうした様々な課題が重なって、修理の文化が十分に形成されていないのが実情です。私たちA lutenは、「壊れたら捨てる」から「直して長く使う」文化への転換を目指し、修理のニーズやハードルを把握する調査を実施しました。

     

    修理の必要性を感じた人は少数派

    本調査は、20代から70代以上までを対象に合計2,000人、各年代から概ね300〜400人程度の回答を得ました。

    調査の結果、過去2〜3年の間に修理経験がある人は全体の約2割に留まり、続く約2割は必要性を感じながらも修理を行っていないことが判明しました。残りの6割は修理を行ったことも、必要性を感じたこともなかったのです。

    過去2−3年の修理経験者は約2割であることを示す図

    次回は、この調査結果の続きをご紹介します。