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竹を使ったコンポストプロジェクト その1~竹伐採~

日本各地の風景には、美しい竹林が点在しています。その青々とした姿は心を和ませてくれますが、その力強い成長の一方で、竹林は適切に手入れをしないと、深刻な環境リスクを引き起こすことがあります。
竹は根が浅く、斜面の多い日本では放置すると土砂崩れの原因になります。急速に広がる竹林は日光を遮り、他の植物の成長を妨げて生態系のバランスも崩します。それらを防ぐために、適度な間伐で光と風を通すことが、斜面の安定と自然環境の保全につながります。豊かな自然を未来に引き継いでいくためにも、竹林を「育てる」という意識が今、求められています。
私たちA lutenは、福岡県福津市を拠点に、ごみ収集や木くず・竹材などのリサイクル事業を展開する株式会社林田産業と協力し、間伐した竹を使って手作りのコンポスト(生ごみ堆肥)を地元の小学校に制作・設置するプロジェクトを始動しました。
一般的に、家庭から出るごみの約2〜3割は生ごみで、水分が多く腐りやすいため、悪臭の原因になったり、猫やカラスによる被害を招くことがあります。さらに、運搬や焼却にも多くのエネルギーを必要とするため、生ごみの分別や減量は特に重要です。
このプロジェクトでは、地元の竹で作ったコンポストを使って、子どもたちが資源循環や環境の大切さを学ぶきっかけにしています。堆肥化は、ごみの削減に加え、その運搬や処理に伴うCO₂の排出を減らし、土を豊かにする持続可能な取り組みです。持続可能なごみの処理を通じて、循環型社会への意識を育みます。
今回、地元の竹からコンポストを作ろうと福津市内の竹林を訪れました。日本には、真竹(まだけ)、孟宗竹(もうそうちく)、淡竹(はちく)などを含む多くの種類の竹があります。真竹は細く節間が長い、孟宗竹は太く節間が短いなどの特徴があり、今回は細く扱いやすい真竹を伐採しました。
次回は、伐採した竹をどうやってコンポストに使えるようにするのか、竹の加工の様子をお届けします。
