clear plastic bottle on green grass

Plastic

– プラスチック-

プラスチックは20世紀に入り、人類の生活に革命をもたらした素材です。1950年代には、その軽量性や耐水性から、包装材や製品の製造に広く利用されるようになりました。しかし、その利便性と共に、大規模な環境問題を引き起こす要因となってきました

プラスチックの課題
枯渇資源である化石燃料に依存すること
使用後の不適切な処理により、海洋や陸上の生態系に深刻な影響を与えていること
マイクロプラスチックによる環境や人体への影響が懸念されること
製造・加工・廃棄の過程で、温室効果ガスが排出され、気候変動に影響を与えること
使用済み製品が途上国等に渡り新たな問題を引き起こしていること
手軽に使い・廃棄できることで、線形の経済システムを助長すること

私たちは、次のような視点で、プラスチック問題にアプローチし、社会変革につながる提案・実践を行っています。

– 廃プラスチックを生み出さない生活や事業活動の提案
– ローカルで実施可能で、誰もが参加できる仕組みの構築
– 限られた資源を循環させる、廃プラスチックの有効活用
– これらによって人々のウェルビーイングを向上させる取り組み

  • 2025年もありがとうございました。

    本日が年内最終営業日となりました。
    2025年も多くの皆さまに大変お世話になり、心より御礼申し上げます。

    今年を振り返ると、さまざまな分野で多くの挑戦と学びの機会をいただいた一年でした。
    企業の脱炭素に関しては、行動変容を促すことを目的とした共同事業に取り組み、現場での実践や対話を重ねてきました。

    また、TICAD9に関連する取り組みとして、アフリカにおけるプラスチック循環に関わる多くの方々と出会い、サーキュラーエコノミーの実現に向けた活動をお手伝いする機会にも恵まれました。あわせて、プラスチック循環を促進するための情報連携のあり方についても、実務と研究の両面から検討を進めました。

    今年はあらたに、学校を舞台とした竹製コンポストの設計・制作・運用にも取り組みました。放置竹林という地域資源と、給食から出る生ごみをつなぎ、「廃棄物を資源として循環させる」ことを実感を伴って学ぶ場をつくるという点で、非常に示唆に富む取り組みとなりました。

    国内ではそのほか、リペアを日本の文化として根付かせるための仕組みづくりの検討や、子どもたちの「データを正しく理解する力」「自分で考える力」を育むデータサイエンス講座の開発にも取り組みました。さらに、こうした教育や実践がウェルビーイングの向上にどのように寄与し得るのか、政策への適用可能性についても考える一年となりました。

    これらの取り組みは、決して一人では成し得ないものであり、多くの方々のご協力とご支援のおかげで、貴重な経験を積ませていただきました。あらためて深く感謝申し上げます。

    まだブログやホームページで十分に共有できていない取り組みも多く残っていますが、来年にかけて、少しずつ発信していければと考えています。

    引き続き、皆さまと対話を重ねながら、社会にとって意味のある取り組みを進めてまいります。
    来る年もどうぞよろしくお願いいたします。

    皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。

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    2025/9/29
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    ペットボトルキャップのリサイクルから見える、日本と欧州のアプローチの違い

    欧州委員会が2019年に発表したプレスリリース(リンクはこちら)を読みながら、ペットボトルのリサイクルに関する日本と欧州の考え方の違いについて改めて考えてみました。

    日本では、以前のブログでも紹介したように、ペットボトルキャップをいったんボトルと分けてから精緻に回収する事例が見られました。通常の容器包装プラスチックのリサイクル施設では、小さすぎるキャップは処理工程で弾かれることが多いのですが、キャップ専用に作られた特殊な設備や機械を使い、異物を取り除いた上で素材や色ごとに選別し、リサイクルする方法です。

    一方、欧州ではアプローチが少し異なります。冒頭のプレスリリースにある通り、2019年に発行され、2024年7月に施行された「使い捨てプラスチック指令(Single-Use Plastics Directive)」により、ペットボトルのキャップがそもそも外れないように設計することが義務化されました。欧州では、プラスチックのリサイクル効率を高めるため、製品段階からリサイクルを意識した設計が推奨されており、これを「Design for Recycling(DfR/リサイクルしやすい設計)」と呼びます。ペットボトルの場合、キャップをボトルに固定したまま回収・リサイクルできる構造が奨励されています。
    (トップ画像参考:CORVAGLIA MOULD AGスイスのコルヴァリア・モールド社)

    さて、ペットボトルとキャップがくっついたままリサイクル施設に持ち込まれた場合、素材の異なる2つをどのように分別するのでしょうか。まず、ペットボトルはキャップごと破砕機にかけられ、3〜5cmほどの破片に破砕されます。その後、比重選別が行われます。比重選別とは、物質の比重(密度)の違いを利用して、異なる素材を分離する方法で、PPやPEは水よりも比重が小さいためキャップは水に浮き、PETは比重が大きいためボトル部分が沈み、自然に分離されます。

    さらに、PPとPEを区別する場合には、近赤外線(NIR)選別が用いられます。NIR選別では、対象のプラスチック破片に近赤外線を照射します。プラスチックは種類ごとに分子構造が異なるため、反射される波長や強さがそれぞれ微妙に変わります。機械はそのパターンを読み取り、PET、PP、PEなどの異なるプラスチックを正確に識別し、分別するのです。

    興味深いのは、ペットボトルリサイクルへの取り組みが、日本では現状を前提に技術で課題を解決しようとするのに対し、欧州では設計や規制を通じて問題を未然に防ごうとする姿勢として表れていることです。

    ただし、この話には続きがあり、欧州では、今回導入されたペットボトルのくっついたキャップ(Tethered cap)が新たな議論を呼んでいるようです。消費者の中には、キャップが口や鼻にあたって飲みにくいと感じる人がいるそうで、そのフラストレーションから、わざわざキャップを外して海に投棄してしまう場合があるそうです。実際、スウェーデン西海岸のビーチでは、2024年にTethered capの義務化が始まってから、ビーチで回収されるプラスチックキャップの数が前年の3倍に増えたそうです。そもそもの目的は「キャップの回収率を上げる」ことでしたが、逆にごみの増加につながっているとは、なんとも皮肉な話です。それにしても、なぜこうなる?政策立案には人間心理の考慮が最重要事項であることを改めて思い知らされます。

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    2025/8/25
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    海のプラスチックから生まれた「オーシャンスゴエコ袋」

    海岸に打ち上げられる漂着ごみの多くは、漁具や牡蠣養殖パイプ、食品容器などのプラスチック製品です。これまで多くは焼却や埋立で処分され、費用がかかるだけで有効活用されることはほとんどありませんでした。

    そんな海洋プラスチックを再びよみがえらせたのが、「オーシャンスゴエコ袋」です。家庭や企業から出るプラスチックごみ、そして海洋プラスチックを100%リサイクルして作られたごみ袋。海のごみが、再び日常のごみ袋として役立つ――そんなユニークな発想から生まれました。

    袋を光に透かしてみると、黒い斑点が見えることがあります。これはリサイクル素材ならではの模様で、海から戻ってきたプラスチックが新しい形でよみがえった証。そうとらえるとロマンがありますよね。

    実際のごみ袋に求められる強度や使いやすさについても評価が進められており、実用性の高さが期待されています。ここで私たち消費者ができることは何か。黒い斑点にロマンを感じ、多少の欠陥を許容することで、再生プラスチックの市場投入を後押しすることです。

    この「オーシャンスゴエコ袋」の開発を進めているのが、NPO法人木野環境です。廃プラスチックの組成調査などで、お世話になっています。同法人では、漂着プラスチックを種類ごとに選別・破砕し、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などをペレット化する仕組みを整備。こうした取り組みにより、再生原料を袋や建材といった実用品へとよみがえらせています。

    海洋ごみ問題は深刻ですが、「オーシャンスゴエコ袋」はそのごみを「資源」として活かし、地域や社会に循環の仕組みを生み出す試みの象徴です。

    新しいことを始めると賛成も反対もあるものです。日本では他国に比べて、一つの否定的な声で計画が止まってしまうことも少なくありません。もちろん意見を大事にすることは大切ですが、全員一致を待っていたら前に進めないこともあります。

    だからこそ、「まずはやってみる」という小さな一歩が、よりよい社会をつくるきっかけになるのではないでしょうか。海を守る取り組みも、暮らしを変える挑戦も、その始まりはいつも小さな一歩から。

    小さな一歩が積み重なれば、大きな未来につながります。

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    2025/8/20
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    【お知らせ】NEDOプロジェクト特別講座 第二期 開催中

    2020年度よりスタートしたNEDO「革新的プラスチック資源循環プロジェクト」では、福岡大学を中心に、大学と企業が連携し、廃プラスチックの高度マテリアルリサイクルを目指した研究開発に取り組んできました。

    この成果を基盤として実施されている
    「NEDOプロジェクトを核とした人材育成、産学連携等の総合的展開/
    廃プラスチックの高度物性再生の開発技術者養成に係る特別講座」
    第二期、ただいま第二回(8月20日・21日)を開催中で、テーマは「高分子溶融物性・レオロジー基礎」です。

    そして 明日8月21日(水)10:35~11:35 には、
    A luten代表の 菊澤が登壇し、
    「プラスチック資源循環のための評価フレームワークの構築」 をテーマに講演を行います。

    ぜひご参加ください。


    講座概要

    • 期間:第二期 令和7年7月~令和8年3月 第二回(8月20日・21日)

    • 定員:オンサイト 約30名 / オンライン 約400名

    • 受講料:無料(交通費・宿泊費等は自己負担)

    • プログラムはこちら
    • 申込方法:広報HPより入力
      申込はこちら

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    2025/5/30
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    【登壇報告】第37回環境工学連合講演会にて講演しました

    2025年5月27日(火)、六本木・日本学術会議講堂にて開催された「第37回環境工学連合講演会」公開シンポジウムに登壇しました。

    本シンポジウムは「先進サスティナブル社会における環境工学の役割」をテーマに、環境・エネルギー・社会システム・教育など多様な分野の専門家が集い、未来志向の研究や取り組みを共有する貴重な場となりました。

    A luten代表の菊澤は、「プラスチック資源循環のための評価フレームワークの構築:サーキュラービジネスモデルの視点から」と題して講演を行い、プラスチック循環の実装を後押しするための評価フレームワークについて報告しました。

    講演会

    当日は、現地とオンラインを合わせて300名を超える方々にご参加いただき、プラスチック循環というテーマへの関心の高さがうかがえました。

    また、質疑応答では、「再生プラスチックを流通させるには、量が先か、質が先か?」という本質的な問いが寄せられ、講演後の意見交換でも関心の高い議題として話題に上がりました。翌日に参加したNEW環境展の会場でもお会いした方々に同様の問いを投げかけたところ、興味深い見解が複数寄せられましたので、ご紹介いたします。

    欧州の環境プラントメーカーの出展者からは、「日本では再生材を目玉商品に用いようとするあまり、初めから高品質を求めすぎている」との指摘がありました。包装材、物流資材、什器など、製品以外の用途も含めて再生材を柔軟に活用していくべき、という意見です。

    さらに、再生プラスチックを扱う商社からは、「高品質な再生材へのニーズは国内でも確実に高まっているが、その品質と量を安定的に確保できる状況にはない」との声も聞かれました。これは、メーカー側が求める品質と供給量のハードルの高さが、普及の妨げとなっている現状を示唆しています。

    今回の講演でご質問くださったのは、再生材を供給されているリサイクラーの方でしたが、同様の課題意識を持たれている様子がうかがえました。講演でも述べたとおり、バリューチェーンのいずれかの段階で「詰まり」が生じていることは明らかです。再生材の価値が市場において認められれば分別排出も進み、高品質な排出や再資源化への協力が得られるはずですが、その評価や需要が曖昧なままでは、主体的な協力は得にくいのが現状です。

    今回の登壇を通じて得られた気づきやフィードバックを、今後の研究と社会実装の方向づけにしっかりと活かしていきたいと考えております。

    最後に、このような貴重な機会をいただきました日本学術会議 環境学委員会 環境科学・環境工学分科会の皆さま、本会議へのご推薦をいただきました廃棄物資源循環学会の皆さま、そしてご参加いただいた皆様に心より感謝申し上げます。

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    2025/4/15
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    ごみ焼却施設「佐賀東部クリーンエコランド」の見学​

    20243月竣工のごみ焼却施設「佐賀東部クリーンエコランド」 *1 を見学しました。この施設は、環境保全や施設の耐久性・安全性の向上を基本方針としており、浸水対策や環境教育・啓発にも力を入れています。施設の動線や担当者の説明から、教育的要素に配慮していることを感じました

    施設内の見学動線は広く、わかりやすい動画などによる説明が随所に設けられています。施設の各部門、例えば、ごみ清掃車がごみを投入する入り口や、ごみをためる「ピット」、ごみが焼却される場所(ここはイメージ動画のみで実際に見ることはできません)などが見学できます。

    今回特に関心を持ったのは、ごみの組成による燃えやすさや燃えにくさの違いや、組成の変化がどのように焼却に影響するのか、という点です。

    「ごみは減らさなくても良い、燃やせば灰しか残らないから問題ない」、「特にプラスチックは燃えやすいので、分別せずに焼却してしまえば良い」という意見も見受けられます。これらは焼却を前提とした議論の中で出てくる意見であり、ごみの分別や減量を進める立場からすると、なかなか納得できない部分もあります。

    実際にごみの組成と焼却の関係性について詳しく尋ねたところ、現在のごみの組成(紙類が40%、プラスチックが30%、生ごみが20%、その他が10%)を考えると、基本的にはごみは自燃し続けるそうです。焼却処理施設の設計時には、発電効率やごみ組成の幅、さらには災害ごみの受け入れなどを考慮して高い処理能力が確保されており、例えば、プラスチックのごみがゼロになるような劇的な変化がなければ問題が発生することはないとのことでした。

    しかし、焼却処理施設の寿命と考えられている30年の間に自治体のごみ政策が大きく変わる可能性も考えられます。例えば、生ごみが減ってプラスチックなどカロリーの高いもの(燃えやすいもの)ばかりになると、炉内の温度が高くなりすぎるため、ごみの投入量を減らしたり、一時的に水を散水して温度を下げたり、カロリーの低い(燃えにくい)ごみと一緒に投入したりする必要が出てくるそうです。逆に、プラスチックの分別が進み、生ごみばかりになると、助燃剤の使用が必要となる可能性があり、その場合、燃料の投入費用が増加し、CO2排出量も増えることになります。

    大きな処理能力の施設を建ててしまうと、ごみを常に一定量投入する必要があるため、稼働から20-30年間のごみの量の変動を予測しないといけません。高い処理能力が確保されていると、それに見合った運用が必要であり、ごみ減量の動機が薄れる恐れがあります。

    ​[ごみピット・ごみクレーン(定期的にこちらからあちらへ、あちらからこちらへごみをひとつかみずつ移動させることでカロリー(燃えやすさ)を均一にします)]

    ごみ管理は、国民の基本的な衛生と生活環境維持の基盤となる欠かせない要素です。処理能力が過剰にならないように調整する一方で、ごみの適切な処理が滞ることなく、30年後のごみ組成やCO2排出量を見据えた施設設計を行うことの難しさを体感しました。

    そのほかにも、アップサイクル*2製品の展示等、持続可能な資源循環のあり方についても考えさせられる見学となりました。ごみの処理は単なる焼却ではなく、地域の環境や経済にも関わる重要な課題です。今後も、ごみと向き合い、ごみについて語りつつ、より良い社会の実現に向けて考えてまいります

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    *1佐賀東部クリーンエコランド: 佐賀県東部環境施設組合が運営するごみ焼却施設、鳥栖市・神埼市・吉野ヶ里町・上峰町・みやき町のごみを受け入れる。

    *2アップサイクル:本来は捨てられるはずの製品に新たな価値を与えて再生すること

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    2024/12/18
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    一括回収プラスチックの組成調査

    プラスチックと一言にいっても、種類はさまざまです。ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレンなど、それぞれ用途や特性が異なります。モノからモノへのリサイクル(マテリアルリサイクル)を行うには、プラスチックの種類ごとに分別する必要があります。​

    今回は、研究活動の一環として参加している、廃プラスチックの組成調査(※1)の報告です。​

    今回の組成調査の対象は、 ある自治体にて【一括回収】で集められたプラスチックです。これまで多くの自治体では廃プラスチックの中でも容器包装に当たるもののみを回収していました。しかし、プラスチック資源循環促進法(※2)の制定頃から、容器包装プラスチックと製品プラスチックを「一括で」回収する方法を採用する自治体が増えています。これにより、以前より多くの廃プラスチックの回収が可能となっています。容器包装プラスチックと製品プラスチックの違いについては別の機会に紹介するとして、​今回の組成調査で気になったのは次の2点です。​

    ①廃プラスチックの一括回収に、たくさんの「プラスチックでないもの」が混ざっていること。​
    中でも多かったのがカップ麺の容器です。「外装フィルムはプラスチックでできている。軽くて丈夫だし、この容器もプラスチックっぽい」と、【プラスチック】として出されているようですが、実は【紙】が主体であることが多いです(紙が“主要な”素材)。プラスチックは通常、素材選別や形状選別を経てリサイクルされます。このカップ麺の容器のように他の素材が混ざってしまうと、選別に時間がかかったり、効率が悪くなったります。

    ②お菓子の袋などを小さく折りたたみ、結んだ形で出しているものが見られたこと。​

    コンパクトになり、ごみのかさも減るので、あえて結んで出している方もいるでしょう。しかし、この状態では選別の過程ではじかれてしまったり、上手く破砕(ばらばらにする)ができなかったりして、本来リサイクルできるものも、リサイクルルートに乗らない可能性が高くなります。リサイクルに出すときは、広げたまま出すのが望ましいです。​

    小さく結ばれた袋
    小さく結ばれた袋

    他にも、袋の中に他の袋や容器を入れて出すのも、異素材が混ざる要因となるので、避けた方がよいです。また、汚れが付いたままでは、再生されるプラスチックにも汚れが移ってしまい、全体の質を落としてしまうため、きれいに洗ってから出す(あるいはごみとして出す)必要があります。

    ※1:組成調査:家庭や事業所から排出されるごみの種類や割合を調査・分析するもの。ごみの組成を分析することで、ごみの減量やリサイクル推進に役立つ。
    ※2:プラスチック資源循環促進法:2022年施行。プラスチック製品の排出削減や再利用を促進するもの。企業に設計やリサイクル義務を課し、消費者にも分別回収を求め、環境負荷の軽減を目指す。​

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    2024/10/23
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    学会発表報告「プラスチックの回収と再資源化の評価に関する研究」​

    研究結果をまとめたマトリックス図

    図はサーキュラリティマトリックス(Atasuら,2021)を元に
    調査結果(仮)を反映


    第35回廃棄物資源循環学会研究発表会にて、口頭発表を行いました。

    現在のプラスチックリサイクルの課題として、マテリアルリサイクル率*1が低いことと、リサイクル用途(リサイクルされたものがどのように使われるか)が限られていることが挙げられます。​

    この研究では、サーキュラービジネスモデル(CBMs)を用いてこうした課題を解明・解決できないか試みています。CBMsは、サーキュラーエコノミー(CE)*2を実現するためのビジネスモデルで、シェアリングエコノミーや製品をサービスとして提供する考え方(PaaS)など、さまざまな視点からアプローチします。この研究では、特に「サーキュラリティマトリックス(CM)」を使って、廃プラスチック製品の回収と価値抽出の容易さを視覚的に整理しています。​

    具体的には、回収が難しいか容易か、またその価値を取り出しやすいかどうかの2軸で、プラスチック製品を4つのカテゴリーに分類しました。このマトリックスを通じて、どの製品が効果的にリサイクルできるのか、どの製品に課題があるのかを見える化しています。​

    研究結果をまとめたマトリックス図
    サーキュラリティマトリックス(Atasuら,2021)を元に調査結果(仮)を反映​

    さらに、評価項目についても詳しく説明しました。回収の容易さは、回収インフラの整備状況やコスト、消費者の協力度などによって決まります。一方で、価値抽出の容易さは、素材の汚れや種類、処理技術の成熟度に影響されます。このような基準を設けることで、実態に即した評価が可能になります。​

    暫定的な評価結果として、例えば、ストレッチフィルム*3は、単一素材でかつ特定の場所でまとまって排出されるため、回収と価値抽出が比較的容易と評価されています。​

    今後の展開としては、評価の精度を上げるとともに、評価結果に基づき有効なCE戦略を検討していく予定です。​

    *1 マテリアルリサイクル率:廃棄された資源を“物理的に”加工して、新しい製品や材料に再利用する方法​

    *2 サーキュラーエコノミー:有限な資源を無駄にせず最大限に活用し、廃棄物を最小限に抑える持続可能な経済モデル​

    *3 ストレッチフィルム:物流センターで商品をまとめる時などに使われる薄くて柔軟なプラスチック​

    研究発表会開催概要の図

    第35回 廃棄物資源循環学会 研究発表会

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    2024/9/30
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    ペットボトルキャップのリサイクル最新情報 〜9/10工場視察報告〜

    リサイクルのためせん別中のペットボトルキャップ。新栄化成株式会社にて

    ペットボトルの回収率は94.4%に対して、キャップの回収率は20%にとどまっています。小さなキャップですがポリエチレン(PE)もしくはポリプロピレン(PP)の単一素材でできているためリサイクルしやすく、高品質な再生材になります。しかし、一般的なプラスチックの選別施設では、小さいがゆえに選別の際にはじかれてしまうことも多くあります。

    ペットボトルは回収率94%キャップは回収率20%
    出典│日経SDGsフォーラム特別シンポジウム(9/12開催)進栄化成代表・進藤氏発表
    *キャップはその他プラスチックとして回収されているため、数字が公表されていません。

    今回訪問した進栄化成株式会社は、通常小さすぎて選別が難しいキャップを、サイズ別・色別・樹脂別に選別する技術を開発することで、キャップの再資源化を実現しています。

    こうして選別されたキャップは、ペレットと呼ばれるプラスチック原料に再生され、プラスチック成形加工業者に販売されます。ペレットは、産業資材・土木資材・流通資材・ ボールペン・回収ボックスなどの色々な製品へ再資源化されます。

    こうした技術の進展が、未開拓の資源のリサイクルに必須であると考えられます。

    工場の端に積み上げられたごみ袋の写真
    関東を中心に、全国からボトルキャップが集まってくる工場の様子
    色別に選別されたキャップ粉砕品の写真
    このペレットが新しいプラスチック製品に生まれ変わります
    再生プラスチックで作られた買い物かごの写真
    この買い物かごも再利用されたボトルキャップから作られています
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    2024.3.4
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    登壇『【3/4福岡で開催】プラスチック問題を考える勉強会 企業・団体で取り組む3氏が議論』

    A luten菊澤の登壇イベント情報

    プラスチック問題を解決するためのポイントを考える勉強会が3月4日、「福岡市NPO・ボランティア交流センター あすみん」(福岡市)で開かれます。企業やNPOなどで問題解決に取り組む方々と異なる立場から語り合います。あすみんが主催し、朝日新聞SDGs ACTION!編集部が企画協力します。

    朝日新聞SDGs ACTION!_イベント情報