placemaking
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大刀洗の取り組みから学ぶ、リサイクルがつなぐ地域の輪
先月、福岡県大刀洗町(たちあらいまち)にある「MEGURU STATION」を訪問しました。「MEGURU STATION」は「互助共助を生むコミュニティ拠点」と「資源回収ステーション」の2つの機能を融合させたリサイクルステーションです。アミタホールディングス株式会社が提案し、地域課題の統合的な解決を目的としています。ただの資源回収拠点ではなく、住民が主体となって運営し、リサイクルを通じて地域コミュニティを活性化させることが目指されます。
実は、今回の訪問は3回目でした。1回目の訪問時は、第1号拠点が実証段階にあり、リサイクルステーションの運営を住民主体で行うというコンセプトが住民にどのように受け入れられるのか未知数の状況でした。袋がいっぱいになると利用者が新しい袋と取り替え、バックヤードに持っていくという作業を行います。多少の手間はあるものの、このステーションがないと1ヶ月に1回の資源の日まで家に保管しておかないといけなかったそうなので、そういう意味で利便性が上がっているというのも、受け入れられているポイントです。
その後、2回目の訪問時には校区別に拠点が4つに増え、それぞれの地域に合わせた特色ある取り組みを見ることができました。
たとえば、本郷校区の「ふれあいセンター」では、生ごみをバイオガス化処理してガスや液肥を作り、液肥は敷地内にあるコミュニティガーデンで使われ、育った野菜は地域イベントで使われています。また、菊池校区では放課後児童クラブとリサイクル活動を組み合わせ、子どもたちがリサイクル活動を通じて「ガラガラ券」を取得し、それを駄菓子と交換する仕組みが導入されていました。そして今回。本郷校区と大堰(おおぜき)校区「憩いの園大堰交流センター」を再訪し、新たな展開を確認しました。「MEGURU STATION」は、互助共助を高めることを目的としてスタートしていますが、地域の公民館機能とリサイクル活動が結びつくことで、拠点としての役割がさらに広がり、世代を超えた住民の交流が生まれているという印象を受けました。
大堰校区では、資源持ち込みで貯めたポイントを麻素材のバッグやペットボトルキャップ製植木鉢と交換する仕組みがあります。
アルミ缶販売収益で設置された無料コーヒーコーナーは、センターの利用者の交流に一役買っています。さらに、隣接する小学校では、ごみの授業で子どもたちと先生、役場職員がセンターを訪問し、学校・役場・センター間の連携も深まっているとのことでした。センター内のアンビシャス広場*1では、放課後活動の一環として ecoくらぶがリサイクル活動に取り組んでいます。
大刀洗の取り組みから私たちが学べることは、リサイクルが単なる「資源の循環」にとどまらず、人と人をつなげ、地域を豊かにする可能性を秘めているということです。リサイクル活動を見直し、地域で何ができるか考えてみるきっかけになれば幸いです。
*1アンビシャス広場:福岡県が推進する青少年アンビシャス運動の一環として設けられる放課後の子どもたちの地域での居場所
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出前講義『福翔高校「総合的な探究の時間」』にて講義
「地域社会」というお題をいただき、プラスチック問題と掛け合わせてお話させていただきました。弊組織側の諸事情により対面での講義が叶わず、オンラインでの講義となりましたが、高校生に何か持ち帰ってもらえるものがあれば良いな…と。
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登壇『SDGs未来都市に南阿蘇村がふさわしい理由』
南阿蘇村と九州大学景観研究室との共同開催のシンポジウムに代表の菊澤が登壇しました。絶景の山々に囲まれた美しい南阿蘇村に魅了されつつ、この美しい景観をいかに次世代に引き継いでいくか…、村長もご登壇の中、非常に興味深い議論に参加することができました。